ここでは、日本酒の種類とその表示についてご説明します。
日本酒(清酒)の原料は法律で定められていることは、日本酒について(日本酒の製造工程)のページ
で説明させていただきました。
原料の定めほかに、多様化する日本酒(清酒)の種類とその表示の仕方についても国税庁の定めできっちり
と決められています。
清酒の製法品質表示基準
「清酒の製法品質表示基準」は日本酒の製造技術の発達や、消費者のニーズの多様化などにより、
平成元年に制定されました。
表示基準の内容は、
1.吟醸酒、純米酒、本醸造酒といった特定名称を表示する場合の基準
2.清酒の容器等に表示しなければならない事項の基準
3.清酒の容器等に任意に表示できる事項の基準
4.清酒の容器等に表示してはならない事項の基準
です。それぞれの表示基準について、少し掘り下げてみましょう。
1.吟醸酒、純米酒、本醸造酒といった特定名称を表示する場合の基準
特定名称の清酒とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒をいい、定められた要件を満たすものにのみ表示すること
ができます。
また、特定名称の清酒は、その製造方法、使用する原料の違いによって8種類に分類することができます。
特定名称 |
使用される原料 |
精米歩合 |
麹米使用割合 |
香味等の要件 |
吟醸酒(ぎんじょうしゅ) |
米、米こうじ、醸造用アルコール |
60%以下 |
15%以上 |
吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ) |
米、米こうじ、醸造用アルコール |
50%以下 |
15%以上 |
吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
純米酒(じゅんまいしゅ) |
米、米こうじ |
- |
15%以上 |
香味、色沢が良好 |
純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ) |
米、米こうじ |
60%以下 |
15%以上 |
吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ) |
米、米こうじ |
50%以下 |
15%以上 |
吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ) |
米、米こうじ |
60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) |
15%以上 |
香味、色沢が特に良好 |
本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ) |
米、米こうじ、醸造用アルコール |
70%以下 |
15%以上 |
香味、色沢が良好 |
特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ) |
米、米こうじ、醸造用アルコール |
60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) |
15%以上 |
香味、色沢が特に良好 |
補足
精米歩合とは、
精米歩合とは、精米する前の玄米の重量に対し、精米後の白米の重量の割合を示します。
従って、精米歩合60%とは玄米を表面から40%精米(米を削ること)したことになります。
精米歩合の逆の表現で、精白歩合(せいはくぶあい)というものもあります。
精米する前の玄米の重量に対し、精米後の糠の重量の割合を示します。
精白歩合と精米歩合は混同しやすいので、精白歩合を使うことはほとんどありません。
吟醸造りとは、
吟醸造りとは、よく精米した白米を使用し、定温でゆっくり醗酵することで、独特な吟醸香
(柑橘系のフルーティーな香り)を伴います。
<一口メモ>
一般的に吟醸酒は、純米酒に比べ、酸度やアミノ酸度が低く、淡麗な味わいと吟醸香りが特徴
です。燗をすることで、香りが失われることが多いので、燗酒としては向かないことが多い
ですが、すべての吟醸酒が燗に向かないわけではなく、純米吟醸酒のように、純米酒の特徴で
である濃醇さと、吟醸酒の特徴である香りの高さを兼ね備えたものでは、燗で楽しめるものも
あります。冷や(常温)から始めて、少しずつ温度を上げ、「味が開く」、「香りが開く」最適
の温度を探してみてはいかがですか?
但し、温度の上げすぎにはご注意を!!せっかくの香りが逃げてしまうので。
吟醸酒の特徴 ・・・ 酸度やアミノ酸度が低く、淡麗な味わいと吟醸香が特徴
純米酒の特徴 ・・・ 酸度やアミノ酸度が比較的高く、濃醇な味わいが特徴
本醸造酒の特徴・・・ 純米酒より酸度やアミノ酸度が幾分低く、キレのある軽快な味わいが特徴
ここに示した特徴は、あくまでも代表的な特徴ですので、すべてがこの特徴に当てはまるわけでは
ありません。酸度、アミノ酸度の他、アルコール度数、日本酒度(酒の比重)によっても味わいが
変化しますし、飲むときのお酒の温度(燗の温度)によっても感じ方が変化します。
いろんな種類の日本酒をいろんな飲み方で味わうことにより、ご自分に合った飲み方を探してみては
いかかですか?
<清酒の容器等に表示しなければならない事項の基準> >>
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