3.清酒の容器等に任意に表示できる事項の基準
次は、製品としての清酒の容器に表示しても良い(任意)基準についての説明です。
清酒には、次の事項を、それぞれの要件に該当する場合に表示することができます。
(1)原材米の品種名
表示しようとする原料米の使用割合が50%を超えている場合に、原材米の品種名を表示することが
できます。
例)山田錦100%
(2)清酒の産地名
その清酒の全部がその産地で醸造されたものである場合に表示できます。
したがって、産地が異なるものをブレンドした清酒には産地名を表示できません。
(3)貯蔵年数
1年以上貯蔵した清酒に、1年未満の端数を切り捨てた年数を表示できます。
(4)原酒
製成後、水を加えてアルコール分などを調整しない清酒に表示できます。
なお、仕込みごとに若干異なるアルコール分を調整するため、アルコール分1%未満の範囲内で
加水調整することは、差し支えないことになっています。
(5)生酒
製成後、一切加熱処理をしない清酒に表示できます。
(6)生貯蔵酒
製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理した清酒に表示できます。
ちょっと脇道。。
清酒は通常、その製造段階において、2回の加熱殺菌処理を行います。この加熱処理を、「火入れ」と
呼びます。
1回目の「火入れ」は貯蔵段階で、2回目の「火入れ」は瓶詰段階で行います。
1回目の「火入れ」を行わないものを、「生貯蔵」
2回目の「火入れ」を行わないものを、「生詰」
1回目も2回目も「火入れ」をいっさい行わないものを「生酒」と呼びます。
いずれも「生」の文字がつきますが、すべて違うものなので、お間違いのないように!!
(7)生一本
ひとつの製造場だけで醸造した純米酒に表示できます。「きいっぽん」と読みます。
例)灘の生一本(なだのきいっぽん)
(8)樽酒
木製の樽で貯蔵し、木香(きが)のついた清酒に表示できます。
なお、販売する時点で、木製の容器に収容されているかは問いません。
(9)「極上」、「優良」、「高級」等品質が優れている印象を与える用語
自社に同一の種別又は銘柄の清酒が複数ある場合に、品質が優れているものに表示できます
(使用原材料等から客観的に説明できる場合に限ります。)。
なお、これらの用語は、自社の清酒のランク付けとして使用できるもので、他社の清酒と
比較するために使用することはできません。
(10)受賞の記述
国、地方公共団体等公的機関から受賞した場合に、その清酒に表示できます。
例)平成××年度 新酒鑑評会 金賞受賞酒